昨日は研修で日本大学付属動物病院の眼科診療に行って来ました
そこで、ミニチュアダックスフントの目が見えなくなってきてるという子が来ていました
いろいろな検査を行い、目の表面から網膜・神経まで調べた結果、もうすでに視覚は全くなく、有効な治療法のない進行性網膜萎縮(PRA:progressive retinal atrophy)という病気だということがわかりました
飼い主さんはまだ見えていて、治るものだと思っていたようで、かなりショックを受けていた様でした
人では生活の70%を視覚にたよっていますが、わんちゃんでは30%くらいで、においだったりその他の感覚にたよっているところが大きいのです
なので、目が見えなくなってきても中々気付かれず、かなり進行してから来院することが多く、結果を知って、早く来ていれば良かったと後悔する飼い主さんも結構います
しかし、このPRAという病気は早期に発見しても、ある程度進行を遅らせる事ができるくらいで、いずれ網膜が変性して目が見えなくなってしまうのです
じゃあどうしようも無いのかというと必ずしもそうではありません
この病気は遺伝性で、ここ10年くらいのミニチュアダックスフントブームで増えてきてしまったという事がわかっています
なので、遺伝子をしっかり調べた上で繁殖を行えばこの病気はなくなって行くはずなんです
病気がわかっても有効な治療法が無いというのは辛いところなので、少しでもそういったかわいそうな事が減っていくことを願っています
正常なわんちゃんの眼底です
PRAのわんちゃんの眼底写真です網膜が変性して血管が無くなっています
オクヤマ
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