春になり、野鳥のヒナが多く運ばれてくる季節になりました。
4~7月には野鳥のヒナに関する問い合わせが多数寄せられます!
でも・・・
落ちているヒナを拾わないほうがよいことを
ご存じでしたか?
野生動物救護獣医師会のポスターです。
かわいいヒナに出会うこともあるかもしれません。
野鳥のヒナはまだ上手に飛べない状態で巣立つことが多いのですが、
そのようなヒナでも多くは親鳥が食べ物を運んだり
安全な場所へ導いたりして育てている最中なのです。
明らかにケガや病気とわかるものでないヒナを
迷子だと思って拾ってしまうと、
親鳥から引き離してしまうことになりかねません。
よくある質問をのせてみましたので
参考にしてくださいね。
Q.ヒナを見つけたときは、どうしたらよいのでしょうか?
巣立ち直後のヒナはあまり動きません。
親鳥は人がヒナの近くにいると警戒して近づけないので、
その場を去る方がよいでしょう。
Q.ネコやカラスに食べられないでしょうか?
心配でしたら、ヒナを近くの茂みの中に移しましょう。
親鳥は姿が見えなくても、ヒナの声で気づくことができるでしょう。
Q.人がヒナを育てることはできないのですか?
たくさんの虫を与え続けるなどすれば、育てられることもあります。
ただ、自然界では巣立ち後に親鳥と過ごすわずかな期間(1週間から1ヶ月)に
「何が食べ物で、何が危険か」などを学習してひとり立ちするので、
人に育てられたヒナが自然の中で生きていけるとは限りません。
救護が必要な場合は・・・
ヒナが明らかにけがや病気だったり、
自然が豊かな地域では数少ない希少種のヒナが落ちている可能性もあります。
放っておけないと判断できる場合は、
各都道府県の鳥獣保護担当部署に相談して指示をあおぐようにしてください。
なお、「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)」によって、
保護のために飼育する場合にも許可が必要です。
行政のアドバイスによって、
野鳥の救護や保護飼育に取り組んでいる施設に持ち込めば対応してくれることもあります。
ただ、野鳥の保護飼育や自然に帰すための知識や技術はまだ確立されているとはいえません。
もともとヒナの生存率は低いので助けるには大変な労力を要し、
人に慣れてしまい自然に戻せなくなる鳥もいることや、
施設についてもボランティアで運営されている場合も多く、
すべてを受入れることはできないことも知っておきましょう。
また、ドバトやカラスなど増えすぎて問題とされる鳥、
外来種などは対応してもらえないこともあります。
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